Space-Time Block Coded Amplify-and-Forward Relay with Cyclic Delay Diversity

Recently, we proposed space-time block coded (STBC) amplify-and-forward (AF) relay for wireless relay communication using unmanned aircrafts (UAs). In STBC-AF relay, UAs perform AF-STBC encoding consisting of conjugate operation and block exchange only. Then, the destination node performs frequency-domain equalization (FDE), diversity combining and linear STBC decoding by using an equivalent channel which is a concatenation of the channels of the source-UA link and the UA-destination link. Our previous study showed that STBC-AF relay can improve bit error rate (BER) performance by increasing the number of UAs. However, when the number of UAs is more than 3, the code rate of AF-STBC decreases, resulting in the throughput degradation. In this paper, we proposed STBC-AF relay with cyclic delay diversity (CDD). In STBC-CDD-AF relay, a number of UAs are divided into 2 groups, and then AF-STBC encoding for 2 UAs is performed by the group. And then, the each UA in each group adds different cyclic delay to each transmit signal. We evaluate, by the computer simulation, the average BER performance and throughput performance when using STBC-CDD-AF relay and showed that STBC-CDD-AF relay achieves higher throughput than STBC-AF relay when the number of UAs is 4. Keyword space-time block coding, cooperative amplify-and-forward relay, cyclic delay diversity 1. まえがき 先の日本を襲った東日本大震災のような大規模な 災害では通信ケーブルの切断や基地局の停電などによ りネットワークから孤立したエリアが発生してしまう. そのよう場合に迅速にネットワークを復旧する手段と して無人航空機(UA)を用いる無線中継システムが注 目されている [1].しかしながらこのシステムでは UA が上空を高速で旋回するため地上―UA 間リンクは周 波数選択性フェージング,伝搬損失およびシャドウイ ング損失などによって通信品質が変動する不安定なリ ンクとなる [2].そのため高品質・高安定な無線中継シ ステムを達成するための優れた信号検出技術が必要と なる.周波数選択性フェージングを克服するための手 段として,直交周波数分割多重(OFDM)伝送が広く 知られている [3].また複数の送受信アンテナを用いる 時空間ブロック符号化(STBC)ダイバーシチにより送 信機の構成を簡易に保ちながら空間ダイバーシチ効果 により伝送特性を改善させることができる [4-6]. 筆者らはこれまで STBC 符号化と非再生(AF)中継 伝送を組み合わせた STBC-AF 中継伝送を提案してき た [7-8].図 1 に UA2 機の STBC-AF 中継伝送の動作を 示す.STBC-AF 中継伝送では,第 1 タイムスロットに おいて,送信局が UA に向けて 2 個の信号ブロックを 送信する.その後 UA は,受信ブロックに AF-STBC 符 号化を施し,第 2 タイムスロットにおいて受信局に向 けて増幅・送信する.STBC-AF 中継伝送では,UA 毎 に複素共役の信号ブロックと複素共役でない信号ブロ ックが共に存在しない AF-STBC 符号化を用いること により,受信局における受信信号を送信局―UA 間チ ャネルと UA―受信局間チャネルの積で与えられる等 価チャネルと AF-STBC 符号化行列の積で表現できる. そのため,受信局では,周波数領域等化(FDE)とダ イバーシチ合成を行った後,簡易な四則演算のみで構 成される線形 STBC 復号を行うことで 2 個の受信信号 ブロックを得ることができる.これまでの検討により, STBC-AF 中継伝送は従来の AF 中継伝送 [9,10]より優 れた平均 BER 特性を達成できることおよび中継 UA 数 を増やすにしたがってさらに平均 BER 特性を改善で きることを明らかにした [7,8].しかしながら,中継 UA 数が 3 機以上の場合,AF-STBC 符号化の符号化率が低 下してしまい,それに伴ってスループットも低下して しまうという問題があった [8]. そこで本稿では中継局で STBC-AF 中継伝送と循環 遅 延 ダ イ バ ー シ チ ( CDD ) [11] を 組 み 合 わ せ た STBC-CDD-AF 中継伝送を提案する.STBC-CDD-AF 中 継伝送では,複数の UA を 2 つのグループに分け,符 号化率が低下しない中継 UA が 2 機の場合の AF-STBC 符号化をグループ単位で適用する.そして,それぞれ のグループ内で UA ごとに異なる循環遅延を与えて AF-STBC-CDD 符号化信号を生成し,受信局に増幅・ 中継する.これにより,STBC 符号化率を低下させる ことなく周波数ダイバーシチ効果を獲得でき,優れた スループット特性を達成できる.中継 UA 数が 4 機の 場合の STBC-CDD-AF 中継伝送の平均ビット誤り率 (BER)特性およびスループット特性を計算機シミュ レーションにより求め,中継 UA 数が 4 機の場合, STBC-CDD-AF 中継伝送は STBC-AF 中継伝送より高い スループット特性を達成できることを明らかにしてい る. 本稿の構成は以下のようになっている.第 2 章にて STBC-CDD-AF 中継伝送を提案する.第 3 章で計算機 シミュレーション結果を述べた後,第 4 章にてまとめ る. 図 1 STBC-AF 中継伝送